PROGRAM
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宮 悠介『架空生物の鳴き真似(Alien Blues)』


パロマ・ウルタード+ダニエル・モラレス『INA.0』

ダンスコネクション

  • 12.12 [Tue] 19:00
  • 12.13 [Wed] 16:00
@横浜にぎわい座 のげシャーレ

宮 悠介Miya Yusuke

© Shoya Fukunaga

タイトルは、ある10歳の少年の物語に由来している。ある日突然、彼は母に連れられ、新潟から愛媛へ移住を余儀なくされる。未知の風景、聞きなれない方言、離れた土地と家族への郷愁。少年は脱出を夢見て翼を願い、架空の生物に変貌することを望んで孤独に鳴き、うごめく。それが彼の初めてのダンスだった。 この物語は宮自身の過去に重なるという。しかし驚くほど精密にコントロールされた身体、声と身体の相互作用の探求は、ダンスをセンチメンタルな私小説にさせない。苦い追憶は肉体の時間と空間の古層からエネルギーを掘り起こし、蘇らせ、いま・ここにある身体と対峙し、舞踊となって現れる。原初の舞踊を探る、ミステリアスな夜の旅。

『架空生物の鳴き真似(Alien Blues)』

  • 構成・演出・振付・出演: 宮 悠介
  • 出演: 北澤 千晃、高橋 春香
  • レジデンス協力: 穂の国とよはし芸術劇場PLAT/豊橋市

宮 悠介

出身地新潟県の高校の部活動からダンスを始め、筑波大学、大学院で舞踊学を修める。在学中は複数の学生コンクールで受賞し、ダンサーとして近藤良平、梅田宏明、柿崎麻莉子ら日本を代表する振付家の作品にも出演。振付家としては、身体と言葉、声を用いて内面の「かたちないエネルギー」を空間に表出させ、鑑賞者を内省的な思考へ導くダンスを探求する。2022年に自身で振り付け、踊るソロ『かたち』で、ヨコハマダンスコレクションのコンペティションII(新人振付家部門)最優秀新人賞。2023年もSAI DANCE FESTIVAL優秀作品賞受賞をはじめ、各地から招聘を受け上演、ワークショップを行う。創作に加え、国内のダンスの環境整備にも取り組む。

パロマ・ウルタード+ダニエル・モラレスPaloma Hurtado + Daniel Morales

© Luca Lorenzo Sala

「星を構成する物質は私たちの身体を構成する物質と同一であり、私たちもかつては宇宙に輝く星の一部だったということ」。このロマンティックな考察から、モラレスとウルタードは永遠と一瞬が交錯する美しいデュオを創造する。音楽はアルヴォ・ペルト(1935-)の名曲『アリーナのために』。衣裳と美術は極めてシンプルで、照明が静かに変化するなか、二人は驚くほど精密なコントロールで奇跡的なシンクロニシティを見せる。静謐な振付は人間が内に秘めた純粋な輝きをゆっくりと解放し、ミニマルな空間に豊かな物語が広がっていく。人間の儚さと絆に宇宙の遥かな時間を重ね、観客を深い思いへといざなう独特の魅力を持つダンス。

『INA.0』

  • 振付・出演: パロマ・ウルタード、ダニエル・モラレス
  • 照明デザイン: Alfredo Diez
  • 助成: 駐日スペイン大使館

パロマ・ウルタード

スペイン、マラガ出身。マドリッド王立舞踊学校でコンテンポラリーを学び、アンダルシア、マドリードでダンサーとして活動。2007年からテネリフェ島を拠点とし、2015年までTenerife Danza Labに参加。2012年に独立してダンサー/クリエーターとして活動、国内で複数の賞を受賞している。

© Emilio Herrera

ダニエル・モラレス

スペイン、グラン・カナリア島出身のダンサー/振付家。コンテンポラリーとストリートを学び、2013年からテネリフェ島のTenerife Danza Labに参加。MASDANZAはじめ国内での受賞多数、グダンスク・ダンスフェスティバル(ポーランド)でも1位を獲得。ドイツ、スペインのプロジェクトでも踊る。