「ダンスとはなにか」を問う場であり続けるために
2024.09.12
ヨコハマダンスコレクションは、日本のコンテンポラリーダンスを代表すると言っても過言ではない国際フェスティバルである。2023年は「現象を見る」をコンセプトに、国内外のアーティストによる公演をはじめ、トークやワークショップなど、現代のダンスを巡る様々な企画が横浜を舞台に展開された。1996年の初開催から29回目を数える今日まで、この祭典の中枢を担うのが公募型コンペティションだ。旧バニョレ国際振付コンクール(フランス)の日本プラットフォームとして始まった本企画は、若手振付家の発掘・育成を目的に、これまで500組以上のファイナリストを輩出してきた。現在は国内外を問わず開かれたコンペティション I、そして日本在住の新人振付家(25歳以下)を対象としたコンペティションIIの2つがあり、映像・書類審査を通過したアーティストたちが歴史ある舞台に上がる。若手振付家に賞を授与して「発掘」し、今後の創作活動に向けての支援や公演機会を提供することで「育成」する。その躍動的な循環プロセスに観客も立ち会えること、それがこのフェスティバルの心臓部である。近年はコロナ禍の影響で海外から来日が叶わなかった例もあるが、今年のコンペティション I では5カ国8組のファイナリストが横浜の地で作品を発表した。そんな熱気冷めやらぬなか行われたのが、Choi x Kang Project、ワン・ユーグァンの2組によるダブルビルのコンペティション I 受賞者公演である。