2018年のYDCコンペティションI 審査員賞受賞作『Complement』の発展形となる、チェ・ミンソンとカン・ジンアンの振付・出演のデュオ。『Complement』はカメラ、モニター等の使用でリアルなダンスと映像を併置して時間と空間を撹乱し、二次元と三次元のあいだに生まれるものを提示したが、今回のクリエーションは「視線の外の事物は制御可能か?」という問いから出発したという。二人の関係性から生じる空間、映像のフレームの内部と外部、現在と過去、抽象化するサウンド。身体、映像、音楽が現実において意味を失ったとき、見えるものと見えないもの、存在と不在の相互作用から一体何が生まれるのだろう?
Choi x Kang Project『A Complementary Set_Disappearing with an Impact』
ワン・ユーグァン <Shimmering Production>『Beings』
受賞者公演
- 12.05 [Tue] 19:00
- 12.06 [Wed] 19:00
Choi x Kang Project
『A Complementary Set_Disappearing with an Impact』
- 振付・出演: Choi x Kang Project(チェ・ミンソン、カン・ジンアン)
- 美術: Rohwa Jeong
- 音楽: Ko Yohan
- 衣装: Son Jungmin
- 撮影パフォーマンス: Kim Taekyung
- テクニカル: Jo Eunjin
- プロデュース: Jang Soohye
- 助成: Korea Arts Management Service
Choi x Kang Project
Choi x Kang Projectは、2010年から韓国国立現代舞踊団(Korea National Contemporary Dance Company)のダンサーだったチェ・ミンスンとカン・ジンアンが2015年に立ち上げた、ソウル拠点のプロジェクトグループ。二人は2016年に舞踊団から独立し、直感的なモーションの探究と、身体と外部デバイスの接続プロセスに注目した実験的作品を発表している。2015年『Basic Dance』でソウル・ダンス・コレクション、2018年『Complement』でYDCコンペティションIを受賞。現代アートともコラボし、ダンスという行為に対するユニークな解釈を提示する。
ワン・ユーグァン <Shimmering Production>Wang Yeu-Kwn
「一人が二人になり、私たちを通して私は“私”をつかのま見つめる」。台湾の新進振付家ワン・ユーグァンは「人」という漢字からインスピレーションを得て、この親密なデュオを創造した。大きな白い紙とインクが二つの身体を侵食し、絡み合う一組の男女の関係性は一瞬ごとに変容し、高まり、予期せぬ結末へ向かう。実験的だが秘めた情熱を伝える『Beings』は、コロナ禍のYDC2021-DECコンペティションIで映像上演形式で発表され、奨励賞、アーキタンツ・アーティスト・サポート賞、城崎国際アートセンター賞をトリプル受賞後、欧州でも上演し高評を博した。ついに実現する劇場上演であり、絶対に見逃せない。
『Beings』
- 振付: Wang Yeu-Kwn
- 出演: Lee Yin-Ying, Wang Yeu-Kwn
- ドラマトゥルク: Chen Lucky
- 美術: Chen Guan-Lin
- 照明デザイン: Shyue Joanne
- 衣装: Lin Eno
- ツアーテクニカルスタッフ: Lan Chin-Ting
- 制作協力: Hsu Tzu-Yin, Yeh Salina
- 助成: National Culture and Arts Foundation, Department of Cultural Affairs Taipei City Government
- 提携: 城崎国際アートセンター(豊岡市)、スタジオアーキタンツ
ワン・ユーグァン
Shimmering Production(微光製造)は「人々の人生を照らす微かなきらめきを創造する」ことを願い、2019年に台湾の振付家ワン・ユーグァンが立ち上げたダンスカンパニー。2008年から7年間クラウド・ゲート2のダンサーだったワンは、自分の身体を知り、その働きを理解することが個として能動的に生きる基盤になると信じ、実験的なコンテンポラリー作品の創作と一般向けのワークショップを二本の柱として活動している。ダンスを街に放ち、そこに暮らす人々の生活、歴史と丁寧に関係を紡いでいくワンの作品は、計算された美に加え、穏やかな温もりとノスタルジックな味わいで観客の心に染み込んでいく。