ナセラが振付、音響・照明デザインを担当、出演し、2022年6月モンペリエ・ダンスフェスティバルにて初演。「L’Envol」は「飛翔」を意味するが、ナセラにインスピレーションを与えたのは、2001年9月11日にNYで撮影された「The falling man」と呼ばれる一枚の写真だった。高層ビルから落下する男性の衝撃的なイメージは、振付における「落下する身体」を探究していたナセラに、恐怖を越えた平静と解放の感覚をもたらしたという。4人のダンスは暗闇の中で始まり、秘儀を思わせる静けさからトランス的な激しさへ展開し、観客を幻惑する。意識と無意識がせめぎ合うとき、踊る身体は何を語るだろうか。
PROGRAM
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ナセラ・ベラザ『L’Envol』
- 12.16 [Sat] 16:00
- 12.17 [Sun] 16:00
@横浜にぎわい座 のげシャーレ
演出の都合上、開演いたしますと客席へご入場いただけません。
お時間に余裕をもってご来場いただきますよう、お願い申し上げます。
© Laurent Philippe
『L’Envol』
- 振付、音響・照明デザイン: Nacera Belaza
- 出演: Nacera Belaza, Dalila Belaza, Paulin Banc, Mohammed Ech Charquaouy
- 舞台: Christophe Renaud
- 制作: Compagnie Nacera Belaza
- 共同制作: Festival Montpellier Danse; MC93 – Maison de la Culture de Seine-Saint-Denis; Le Festival d’Automne à Paris; deSingel, Campus International des Arts; Points communs, nouvelle scène nationale de Cergy / Val d’Oise; Theater Freiburg
- 滞在制作: CCN – Ballet de Lorraine; CCN2 Grenoble; CNDC – Angers
- 助成: Fonds Transfabrik – Franco-German fund for the performing arts; King’s Fountain; Villa Albertine; Région Ile-de-France, as part of the creation support program; Ministère de la Culture et de la Communication DRAC – Ile-de-France
- 助成(横浜公演): アンスティチュ・フランセ パリ本部
© Isabelle Lévy Lehmann
ナセラ・ベラザ
アルジェリアのメデアに生まれ、5歳でフランスに移住。大学で文学を修めた後に独学でダンスの探求に向かう。1989年にカンパニーを結成し、振付を内面の旅と捉え、旋回等のミニマルな動きに儀式を思わせる精神性を秘めた独自の作風を確立。ダンサー/振付家として国内外で高く評価され、2015年にはフランス文化省から芸術文化勲章シュヴァリエを受ける。欧州、アメリカ、アフリカ、アジアをツアーし、日本では2012年に『Le Temps scellé(刻印された時間)』と『Le Trait(一筋の描線)』、2014年に『Les Oiseaux(鳥)』と『La Traversée(渡洋)』を上演し、強い印象を残した。