〜ダンスの”現在地”図をたよりに見えてくる景色たち〜
ヨコハマダンスコレクションにこれまで観客、出演者として関わってきたダンサーのAokidです。昨年行った振付家の上村なおかさんとの共同企画に続いて今年もメインプログラムに並走するサイドプログラムをキュレーションすることになりました。
昨年は30年以上続くヨコハマダンスコレクションが様々なダンサーを輩出、上演を続け、周囲を巻き込み交流するプラットフォームとしての機能を持つ、そのこと自体をアーカイブとして捉え、改めてその”アーカイブ”から世代や出自の違うダンサーたちを集め、2日間で行われるコンペティションを挟む形で実施。コミュニティの活性化をまるごとパフォーマンスとして行い、アーカイブの再活用に企画として取り組みました。
今回は数日間に渡る複数のプログラムによって、日本におけるコンテンポラリーダンスコミュニティが狭く小さいながらも、それぞれの活動や取り組みを比較すると交わりにくくもその特異性が浮き上がっていき、また独自の視点で周囲に介入するプレイヤーたちがいる周囲も含めて着目します。
“コンテンポラリーダンス”と、いったん括って互いの活動を紹介し、見ていくことを通して理解とまでいかなくとも共有出来、見渡せる景色を浮かび上がらせ、文化が発生し枝分かれ細分化し、その先で小宇宙を持つようにそれぞれ雑種的に存在しているよう、という状況として捉えることができないか。
これらのプログラムを通して来場者や参加者の方にとっても何か関わり代を見つけ持ち帰ったりその場で議論したり、今後のダンスを始めるきっかけになることを期待しています。
Aokid
———-
キュレーター:Aokid
プログラムサポート:原口はるか
『Dance meets dance 2』
- 11.30 [Sun] 16:40
- 12.06 [Sat] 14:30
- 12.07 [Sun] 14:00
- 12.09 [Tue] 17:00
- 12.10 [Wed] 16:30
11.30 [Sun] 16:40

①『ラウンジミニコンサート』
@横浜赤レンガ倉庫1号館 3F海側ホワイエ
アーティスト

Aokid

藤村港平

米澤一平

村上裕
12.06 [Sat] 14:30

②『ぶっかけ本番のためのぶっつけ創作』
@横浜赤レンガ倉庫1号館 2Fスペース
アーティスト

康本雅子

Aokid
12.07 [Sun] 14:00
③『 How to dance?を覗き合う。振付家の方法交換WS』
@横浜赤レンガ倉庫1号館 2Fスペース
講師

女屋理音

敷地理

横山彰乃
12.09 [Tue] 17:00
④ダンストーク『〜現在ダンスを書く、語るの見地から〜』
@横浜赤レンガ倉庫1号館 3F海側ホワイエ
ゲスト

萩庭真

宮下寛司

渋革まろん

白尾芽
12.10 [Wed] 16:30
⑤ダンストーク『〜見ようとしている景色から〜』
@横浜赤レンガ倉庫1号館 3F海側ホワイエ
ゲスト

敷地理

下島礼紗

asamicro

チーム・チープロ
①『ラウンジミニコンサート』
ダンサーやパフォーマーによるラウンジ向けミニコンサート&DJタイム。
音楽にのせたオープンマイクタイムもあるかも?!
DJ:村上裕(DJ)
プレイヤー:藤村港平(笛など)、米澤一平(タップダンスなど)、Aokid(ギターなど)
日時:2025年11月30日(日)16:40~17:50 *コンペティションⅠ終了後すぐに開催!
場所:横浜赤レンガ倉庫1号館 3F海側ホワイエ
参加:無料・途中入退場自由
②『ぶっかけ本番のためのぶっつけ創作』
その日たまたま集まった人でテーマを決めてダンスを作って上演して反省はしない、遊び倒すクリエーション&上演。
通常の時間軸をすっ飛ばして、いきなり会った人と即興的に作ることをやってみたいです。
自分じゃない出会いかた、自分じゃない拓きかた、自分じゃない捕まえた、自分じゃないならなかったな。っていう3時間。
すんません、これ以上の説明は出来んほど私も初めての事なので、何か引っかかった方は是非一緒にやって下さったら始まります。
By康本
———–
企画:康本雅子 サポート:Aokid
日時:2025年12月6日(土)14:30~17:30
場所:横浜赤レンガ倉庫1号館 2Fスペース
参加:無料
申込:こちらをタップ!
③『How to dance?を覗き合う。振付家の方法交換WS』
タイプの違う3人の振付家による連続ワークショップ。
受講者それぞれの身体を使って、3種類のワークショップを連続で受講し、最後に振り返り話し合う。
振付家たちの作品の根底や断片に現れる、あるいは新たな関心から派生したワークなどを互いに受け合いながら、それぞれの身体との相性を考えたり、何か技術を獲得していく。
普段の関心の外側に出たり振付家同士でのフィードバックなど、実験的かつ意欲的なダンスで出くわす場
講師:女屋理音、敷地理、横山彰乃
日時:2025年12月7日(日) 14:00-18:00 *講師1人につき約45分
場所:横浜赤レンガ倉庫1号館 2Fスペース
参加:無料
申込:こちらをタップ!!
④『ダンストーク〜現在ダンスを書く、語るの見地から〜』
多様な視点を持ってダンスを眺め、語り、書き、時に介入し、一緒に作り、解体し、別の提案を示しアイディアを話す、場を作るような人たちがいる。演劇を出発点にした人や、研究から入る人、現場から転じた人や、美術からの人。
かつての批評家たちとはまた違った関係性や介入の仕方を持って”ダンス”と関わり話し、書く人たちはどんな風に現在、ダンスが開拓されたり滞留しているのを見ているのか。
中々まとまって触れることのない彼らの言葉で書かれ話された地図から、想像し浮かんでくる領域や景色があるのではないだろうか。
ゲスト:萩庭真、宮下寛司、渋革まろん、白尾芽
日時:2025年12月9日(火)17:00~19:00
場所:横浜赤レンガ倉庫1号館 3F海側ホワイエ
参加:無料・途中入退場自由
⑤『ダンストーク〜見ようとしている景色から〜』
日本におけるコンテンポラリーダンスの領域は狭いようでありながらも雑種性をはらむように多様なスタイル、活動の仕方があるように思います。未来が見えにくいと言われる中でそれぞれの方法で切り開いている活動があるダンサーたちは一体どのようにして、ダンスを捉え取り組み、また切り開き、どんな想像をその先に見ようとしているのか。
その実践例によって想像出来る景色を紹介してもらいたい、またそのことが示す”ダンス”を捉えてみる機会としたいと思っています。
SNSの広がりや世界のパワーバランスの変化によって、ダンスにおける海外での活動や上演の形態や意味することの変化、また日本における舞台上演の変化。あるいは舞台以外でのコマーシャルとしてのダンスや、別分野における”身体表現”、オルタナティブでDIYでの開拓の無数の例など、さまざまな展開がある中でのそれぞれの話となります。
ゲスト:敷地理、下島礼紗、asamicro、チーム・チープロ
日時:2025年12月10日(水)16:30~18:30
場所:横浜赤レンガ倉庫1号館 3F海側ホワイエ
参加:無料・途中入退場自由
ShinichiroIshihara
Aokid
“1988年東京生まれ。中3の頃にブレイクダンスに出会い”廻転忍者”クルーで2008年まで活動。東京造形大学映画専攻在学中よりビジュアルアーツ、パフォーミングアーツ作品の制作を開始。KENATRO!!や木村覚などの企画に参加した後、架空の街をつくるをコンセプトとした”Aokid city(2012~)”や、”どうぶつえん(2016~)”、”ストリートビール&リバー(2019~)”といった都市空間における活動を作品制作と並行して行う。
ソロ作品「地球自由!(2019)」、「虹さし よろこぶ人たちに おどり、こたえよ!(2024)」など。
Aokid×たくみちゃん「フリフリ」が横浜ダンスコレクションコンペティション1(2016)審査員賞受賞。”
藤村港平
ダンスってなんだろう。動くこととは違う。跳んでも回ってもダンスになるとは限らない。しかし、何もしないで突っ立ってるだけなのにダンスなこともある。「踊りは何処からやってくるのか、身体は如何にして舞踊する身体になるのか」というダンスにおける身体の二重性への興味から、インストラクションや舞踊譜の手法を手がかりに、私の所有対象としての身体を否認するためのパフォーマンスを制作している。
筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。
タカハシアキラ(picser)
米澤一平
(タップダンサー・場づくり)
1989年東京生まれ。TAP DANCEの技術をベースに場所の床を踏むことで、”場の声”を引き出すように表現する。また、「人々と場所が会合する時間」をテーマに、空間に異質な存在と場所から連想されるコンセプトを掛け合わせた”場づくり”というスタイルのセッションライブ企画を年間50回以上さまざまな会場で開催し続けている。2014年以降主催企画開催数は600回以上/参加アーティスト500名を超える。
現在継続する企画は、「kOe vol.22(2023-/at水性)」、「未来の場vol.12(2025-/at月花舎)」、「野毛うっふsession vol.101(2019-/at Cabaret Cafe)」、「ハプニングフジサワ vol.16(2025/at391THEATRE)」、「ARTERA vol.9(2023-/at蟠龍寺)」、「横須賀のsalo vol.9(2022-/at飯島商店)」、「あゝ踊り念仏vol.4(2024-/蟠龍寺)など。終了した企画は、「In The Zone vol.85(2017-/綜合藝術茶房喫茶茶会記)」、「FOOTPRINTS vol.60(2021-/Double Tall Art&Espresso Bar)」、「ノボリトリートvo.33(2023-/小田急登戸駅高架下)」他多数。
村上裕
音楽、映像、プログラミング、絵画、パフォーマンス、インスタレーション、建築、漫画など、様々なメディアを扱いながら作品を制作してきた。固有のメディアから作品を思考するのではなく、表現を優先的に思考し、メディア化する。統合的総合芸術を画策している。
多数の違う世界が存在している中で、共通のコードを作り上げることは難解さを伴う。しかし、本質的に違っている私たちは、違っているが故に、お互いの存在で自身に足りない何かを埋め合うことができるのかもしれない。世界の違いを乗り越えるためには愛が必要だと考えている。
康本雅子
始まりはダンサー、いつの間に振付家、キリがないがダンサー。
自作品を発表する他、音楽、演劇、映像、アニメ、建築など異ジャンルとの共同作品や、市民参加公演の演出・振付も行う。劇場以外での上演も多数行っており、別府混浴温泉世界、鳥の演劇祭、瀬戸内国際芸術祭などに参加しては、リノじゃない地面を探す。
近年の作品は、ぶっ叩き合う親と子の循環ゲーム「子ら子ら」、見える人と見えない人が一緒にダンスの見方を探る「音で観るダンスのワークインプログレス」(企画・田中みゆき)、BPM260にセットされた欲望絵巻「全自動煩脳ずいずい図」を発表。のち、休憩。
今年、ワークショップの企画運営を行う団体「ああ99ビビ」を立ち上げ、あらゆる特性の子を混ぜる「子どもどるダンス部」や「マジな性教育マジか」を始動中。よって生活とダンスと仕事の内角和は270度。
Fukuko Iiyama
女屋理音
1998年群馬県出身。3歳より瀬⼭紀⼦にクラシックバレエを師事。同スタジオにて、瀬⼭亜津咲、Fabien Priovilleらの作品創作に参加する。お茶の水女子⼤学入学後は作家研究を⾏いつつ、ダンサーとしてハラサオリ、梅田宏明など様々な振付家の作品に出演する。在学中より⾃⾝の作品を作り始め、2021年横浜ダンスコレクションにて最優秀新⼈振付家賞を受賞する。2023年に⾃⾝のカンパニー立ち上げ、初の主催公演を実施。作品には音楽の生演奏を取り入れ、自身が身体を感じる「内受容感覚」に着目しながら、言葉の意味の前にある何かを共有できる可能性を探っている。
敷地理
ブリュッセルと東京を拠点に活動。2024年P.A.R.T.S.(Performing Arts Research and Training Studios)修了(ダンス)。2020年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。身体における自己同一性や自己所有の概念を探求するパフォーマンスやインスタレーションを制作している。ASMRの視覚化など、WET(Weird Erotic Tensions:奇妙な性的緊張)な動きを参照することの多い作品は、私たちの身体について抱く思い込みが、観客の視線によってどのようにコード化されているのか、そしてその眼差しの政治性と暴力性について考察している。横浜ダンスコレクション2020若手振付家のための在日フランス大使館賞受賞。Forbes JAPAN 2023 Under30。2023年ポーラ美術財団研究員。2024年ACYアーティスト・フェロー。
横山彰乃
ダンサー、振付家。長野県大町市出身。東洋的な身体感覚に着目した独自のムーヴメントを探求する。ルーツとなる北アルプス山麓の風土や感覚をベースに作品を制作し国内外で発表。lal banshees(ラバンシーズ)としてプロジェクトを行う。音と身体の動きの様々な関係を展開し、可視と不可視の境界を越えるダンスならではの瞬間を踊り立ち上らせる。2021年度よりセゾン文化財団セゾン・フェローI。2020年、横浜ダンスコレクション2020 コンペティションIで審査員賞とポロサス寄付基金Camping 2020賞を受賞。2022年、第16回日本ダンスフォーラム賞受賞。
渋革まろん
演劇・パフォーマンスを中心に批評活動を展開。「チェルフィッチュ(ズ)の系譜学――新しい〈群れ〉について」で批評再生塾第三期最優秀賞を受賞。演劇系メディア演劇最強論-ingの〈先月の1本〉にてパフォーマンスとポスト劇場文化に関するレビューを連載(2022)。近年の主な執筆に「tsu-tsu|世界の複雑さにとどまりながら反復される、演技と倫理」(『美術手帖』2025年7月号)、「ユングラという試金石──ポストシアトリカルな創造環境の現在地」(セゾン文化財団「viewpoint」、2025)、「パレスチナの縫い目/私の縫い痕──ポストシアトリカルな絡み合いを記述する」(せんがわ劇場、2025)など。パフォーマンスアートプロジェクト「Responding」(2022-2025)、「Inhabited island – War and Body」(2023)に参加。
萩庭真
舞台制作・ドラマトゥルク。東京都足立区生まれ。
演劇ユニット「オフィスマウンテン」を経て、現在は横浜の小劇場STスポットの職員。
2025年4月より、ワイキキSTUDIOにてトークイベントシリーズ「コンテンポラリーダンスの門前」の企画と聞き手を務める。 2025年10月〜12月には、「紙背フェロー」として紙背WEBの舞台時評を担当。人生でできた友達は3人。
白尾芽
東京工業大学 環境・社会理工学院 社会・人間科学コース(伊藤亜紗研究室)修了。ダンスを中心とする舞台芸術や美術について執筆。修士論文を元にした論文に「ポストモダンダンスにおける観客性と「身体的共感」──イヴォンヌ・レイナーの作品を中心に」『Commons Vol.3』(未来の人類研究センター、2024年)がある。現在出版社勤務。
宮下寛司
慶應義塾大学文学部・多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科等非常勤講師。慶應義塾大学大学院後期博士課程単位取得退学。専門は日欧の現代舞踊およびパフォーマンス。現在はドイツ語圏における舞踊学や演劇学の知見をもとに、現代舞踊およびパフォーマンスにおける「主体化」についての博士論文完成に向けて執筆中。
下島礼紗
ケダゴロ主宰・振付家・ダンサー
1992年生、鹿児島県出身。7歳から地元鹿児島でよさこい踊りやジャズダンスなど様々なダンスに取り組む。桜美林大学在学中に木佐貫邦子にコンテンポラリーダンスを学ぶ。2013年「ケダゴロ」を結成し、以降、全作品の振付・構成・演出を行う。
asamicro
egglife主宰。10歳の頃からHIPHOPダンスを学び、キレのある動きと猫背、中毒性ある振付が特徴。幼少期の経験や記憶をもとに、言葉にならない感情や生きづらさをユーモアな動きとスピーディーな展開で表現し、《家族と社会と自身の距離》を切り口として創作する。近年では食を通した振る舞いパフォーマンスとして、自家製あんこやジャムを作り、参加者にとっての居心地、意思決定や自己肯定感を育む環境や機会を探求しながら活動している。
チーム・チープロ
松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット。共同で振付・構成を行う。身体と身振りの批評性をテーマに活動を続けている。近年は具体的な場所と時間から一つのステップを見出し、そのステップが喚起する複数のコンテクストとパフォーマーの身体感覚や記憶の交差を扱うダンス作品を制作している。主な作品に『京都イマジナリー・ワルツ』(2021)、『女人四股ダンス』(2022)、『nanako by nanako』(2024) 。
