2020年、新型コロナウィルス感染症の全国的かつ急速な蔓延により発令された緊急事態宣言は、人々の外出も交流も劇場公演も制限した。その間、松本奈々子は、想像上の物や人、風景と踊るプロジェクトを展開した。これを松本は西本健吾と共にリサーチにより発展させ、2021年京都でソロ作品『京都イマジナリー・ワルツ』として初演した。19世紀末に近代化のため日本に移入された欧米文化であるワルツの受容と実践の歴史、京都という場を鍵として、ダンサーはひとつひとつの身体が秘める個人的/集合的な記憶の古層を丁寧に掘り起こす。“想像上のワルツ”は、観客の記憶と感覚に呼びかけ、いま・ここにあることの意味を問いかける。
PROGRAM
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HOTPOT. Yokohama
松本奈々子/西本健吾<チーム・チープロ>
『京都イマジナリー・ワルツ』
第6回 HOTPOT 東アジア・ダンスプラットフォーム
- 12.12 [Thu] 19:30
- 12.13 [Fri] 19:30
@横浜にぎわい座 のげシャーレ
松本奈々子/西本健吾<チーム・チープロ>team chiipro
© Oka Haruka
『京都イマジナリー・ワルツ』
- 出演: 松本奈々子
- 振付・構成: 松本奈々子/西本健吾<チーム・チープロ>
- 映像デザイン: 安倍大智
- リサーチアシスタント: 芝田江梨
- ファクトチェック: 永井良和(関西大学 社会学部教授)
- 字幕翻訳: 河合京花
- 製作: チーム・チープロ
- 共同製作: KYOTO EXPERIMENT
松本奈々子/西本健吾<チーム・チープロ>
2013年に結成。現在は松本奈々子と西本健吾が共同で主宰するパフォーマンス・ユニット。作品ごとに構成するチームによって、身体や身振りの批評性をテーマとした舞台作品の制作を行う。『皇居ランニングマン』(2019, 2020)、KYOTO EXPERIMENT で発表した『京都イマジナリー・ワルツ』(2021)や『女人四股ダンス』(2022)等、具体的な場所や歴史的事象の綿密なリサーチを重ねてステップを掬い出し、それをめぐって立ち上がる複数のコンテクストやパフォーマーの身体感覚と記憶を、ダンスと交差させて作品を編み上げ観客と共有する。振付・構成を松本と西本が共同で行い、出演を松本が担当。
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第6回 HOTPOT 東アジア・ダンスプラットフォーム
ダンスのつくり手をサポートする東アジアの3つのフェスティバル、City Contemporary Dance Festival(香港)、SIDance(ソウル)、ヨコハマダンスコレクションが協働して2017年から展開する「HOTPOT」の6回目の開催。東アジアを拠点に活躍する11組の振付家が作品上演やプレゼンテーションを行い、国内外のプログラマーとの対話・交流プログラムに参加します。
主催:ヨコハマダンスコレクション、City Contemporary Dance Festival、SIDance
共催:YPAM(横浜国際舞台芸術ミーティング実行委員会)