ニューヨークを拠点に活動する音楽家のゲルシー・ベルと京都を拠点に活動する振付・演出家の余越保子による国際共同プロジェクト。能の『山姥』をモチーフに、男性の身体を基本とする伝統芸能の身体訓練からコンテンポラリーダンサーは何を学び、自分たちの美学に転換することができるのか? 成り立ちの違い、そして、格式の違いを越境し、男性と女性の壁を突き抜けて、共鳴する身体性を探る。ダンス、音楽、古典芸能、演劇を含む全てのパフォーミングアーツ分野における女性アーティストのエンパワメントについて問いかける。
余越保子 with ゲルシー・ベル
『shuffleyamamba:山姥は熊を夢見る』
日米国際共同制作
- 12.9 [Thu] 19:00
- 12.10 [Fri] 19:00
- 12.11 [Sat] 13:00
余越保子
京都在住。振付・演出家。日本舞踊や能の古典作品をコンテンポラリーダンスの目線から丁寧に咀嚼し、自身の身体を通じて行うアーカイヴィング(継承)を日々の訓練とする。2003年より、伝統芸能を、現代のダンスの文脈から読み込み、文化を越境する身体性を探求する試みを継続的に行なっている。1996年よりNYを拠点に活動。2003年と2006年にベッシー賞(最優秀振付賞)を受賞。2009年度のジョン・サイモン・グッゲンハイム・フェロー。2009年~2013年、NYのThe Kitchenのキュレーターを務める。2015年京都に拠点を移して以来、日本の若手ダンスアーティストの育成を自身の芸術啓蒙活動の一環とする。
ゲルシー・ベル
ニューヨーク在住。ヴォーカリスト、作詞家、作曲家、民族音楽研究家。余越とは3作目の共同制作となる。自身の作品でのパフォーマンスが「高度なテクニック」と「輝くような声音」と評され、NYタイムズ紙に「実験的ヴォーカリズムの未来を予感させる」と絶賛された。現在、thingNY、Varispeed、the Chutneys のコアメンバーとして活躍。ブロードウエイにも出演し、2017年度のトニー賞ベストミュージカルにノミネートされたデイヴィッド・マロイ演出『Natasha, Pierre, the Great Comet of 1812』では、主演アーティストを務めた。2018年度のFoundation for Contemporary Arts Award を受賞。
新井海緒(あらいみお)
兵庫県出身。ダンサー、衣装家。東野祥子氏に師事。2019 年からANTIBODIES Collectiveの公演や映像作品にダンサーとして多数参加。2019年舞踏家・石井則仁作品「About death」にダンサーとして出演。城崎にある子供のみのダンスカンパニー「とことこダンサーズ」に衣装提供や、衣装のワークショップなども行う。
篠田栞
奈良出身。フリーランスの編集・ライター、ヴォイスパフォーマー。幼少期より演劇の舞台に立ち、京大在学中に能に出会ったことから、日本の芸能の身体性に惹かれ、勉強をはじめる。編集者として福祉、芸術などの分野に関わりつつ、寺社・自然への奉納、美術家とのコラボレーションなどを行う。能は観世流、歌舞伎は清元を勉強中。
寺田みさこ
振付家・ダンサー。幼少よりバレエを学ぶ。91年より砂連尾理とユニットを結成。「トヨタコレオグラフィーアワード2002」にて、次代を担う振付家賞受賞。自身の作品を発表する傍ら、石井潤、山田せつ子、白井剛、笠井叡など様々な振付家の作品に出演。アカデミックな技法をオリジナリティへと昇華させた解像度の高い踊りに定評がある。
西村未奈
振付家・ダンサー。山崎広太に師事。ジョン・ジャスパーズらニューヨーク拠点の先鋭振付家をはじめ、アーティストSIAとの共演やPRADA短編映画ほか、前衛的な映像、演劇、ダンス作品に多数出演。2017年米ダンスマガジン、ベストパフォーマンス賞、2019年Foundation for Contemporary Arts Award受賞など。現在、ニューヨークのDanspace Projectレジデンスアーティスト、および、ベニントン大学専任講師。