彫刻、映像を学びダンスへ展開した敷地は、現代美術とパフォーミングアーツの両領域で注目を集める気鋭のアーティスト。理知的に構成された空間に、環境から刺激を受容し、時間と共に変化する身体というオブジェを入れ、予測不能なあやうさと官能を放つ魅力的な世界を創り出す。
2020年にYDCコンペティションIで、振付・出演した『happy ice-cream』が在日フランス大使館賞を受賞。本作はそのアワードとして2021年6月から3カ月滞在したパリ、国立ダンスセンターのレジデンスで、フランス拠点の同世代のアーティスト、イ・ソヒョンを共同リサーチ・出演者として迎え制作したデュオ。2021年12月のコロナ禍による公演中止を経た、待望の上演となる。渡仏以前から温めていたセクシャリティのテーマは、パリのルーヴル美術館で古代ギリシャの両性具有の神像を見てより明確になったという。プラトン『饗宴』のアンドロギュノス(両性具有の神)の挿話を手掛かりとする、「磁力と曖昧な身体をめぐる考察」のダンス。
敷地 理+イ・ソヒョン『unisex #01』
ダンスクロス
- 12.5 [Mon] 19:00
- 12.6 [Tue] 19:00
敷地 理
振付家/ダンサー、埼玉県出身。武蔵野美術大学で彫刻を学び、東京藝術大学大学院修士課程ではニューメディアとしての身体を使ったパフォーマンスの制作を行う。大学在学中にベルリン芸術大学に留学し、同時にダンステクニックを学び始める。作品は、知的に構成された空間に、環境から感覚を享受し時間と共に変化する身体という不確実なオブジェを入れて存在の境界を探る、独自のあやうさと官能が魅力。2020年には『happy ice-cream』で横浜ダンスコレクション コンペティションIで若手振付家のための在日フランス大使館賞を受賞、『blooming dots』でCAF賞2020(現代芸術振興財団の学生対象アートコンペ)に入選。2021年にパリ、国立ダンスセンター滞在制作、2022年『Hyper Ambient Club』(ロームシアター京都×京都芸術センター)を発表し、ダンスと現代美術の両領域で注目を集めている。
イ・ソヒョン
ソウル出身、現在はパリを拠点とするアーティスト。フランス国立高等美術学校(パリ)で現代美術を学び、世界と自分自身の間にあるもの、自身を取り巻くもののあいだの不確定な相関性を考察し、多様な形式によって創作を行う。パフォーマーとして、振付家ボリス・シャルマッツ(『Happening tempête』、2021、パリ、グランパレ)、エマニュエル・ユインらの作品に出演。ノエリア・ポルトラがキュレーションしたグループ展「Plant B」(2021、パリ、国立高等美術学校)で、彫刻作品『Perma-』を発表。同校の卒業展覧会や、トマ・コンシュのキュレーションによるグループ展「No no fest」(2021、モントルイユ、メゾンポピュレール)においてパフォーマンス、彫刻、音による作品『(Ici)divague』を発表している。