『Ljós』発表から3年を費やして完成した『Dökk』(ドック:アイスランド語で「闇」)は、世界各地で上演を重ねる“インタラクティヴ・ライブメディア・オペラ”。
キーコンセプトは人間存在のシンクロニシティと予測不可能性。闇と光の中を行くダンサーが、象徴的なストーリーを紡いでいく。背景のスクリーンに加えてホログラムを使用し、ダンサーの全身が映像に包まれる。舞台上の音、動き、心音はデータ化され、リアルタイムで映像とサウンドを変化させる。さらに新開発のシステムが劇場の外のSNSトレンドのセンチメント分析を行い、そのデータも舞台の映像を変化させる。劇場内のフィクションと劇場外のリアルが接続し、『Dökk』は進行する。
「先端技術は芸術家が新しい表現言語、表現形態を獲得するための鍵であり、アートとテクノロジーは、いつの時代も密接に関連してきた」と、fuse*は語る。ダ・ヴィンチを生んだ国の21世紀の総合芸術、一夜限りの上演は見逃せない。
PROGRAM
7
fuse*『Dökk』
© Enrico Maria Bertani
- 12.14 [Wed] 19:00
@横浜市市民文化会館 関内ホール 大ホール
fuse*
2007年イタリアで、ルカ・カメリーニとマッティア・カレッティが共同で設立し、ディレクターを務めるマルチディシプナリー・アート・スタジオ。光・空間・サウンド・ムーヴメントの関係性を鍵として、サウンドデザイナー、ソフトウェア開発者、クリエイティブコーダー、デザイナー、パフォーマー、制作チームが集まり、デジタル技術を用いた新しい芸術の探求を行っている。
これまでに世界各地のアートスペース、フェスティバル、劇場でのライブメディア・インスタレーション展示やパフォーマンス上演を行い、『Dokk』に対するデジタルデザインアワード、ドイツ・デザインアワードをはじめ受賞多数。日本でも、2021年文化庁メディア芸術祭にオーディオビジュアルインスタレーション『Artificial Botany』を出品した。イタリア伝統の高度に洗練された美的感覚と、最新デジタル技術の融合が、fuse*の作品を唯一無二としている。