振付をめぐるショートエッセイ④
“Choreographies for you” — 美術館における振付 —
2023.12.06
#美術館 #空間
美術館におけるダンス公演あるいは全館にわたって展開するインスタレーションでは、踊る身体や作品の鑑賞経験は空間内における配置の影響を受けています。それゆえに自律した対象として個々を経験していくのでなく、配置の原理それ自体が経験において前景化するのです。その意味で、鑑賞者は振付の原理に巻き込まれた客体として振舞うことができるといえます。ダンサーが振付と関わるときに必然的に生じる主体化/客体化の二重のプロセスが、鑑賞者にも広がるのです。
しかし振付とは空間内の諸要素を結ぶ関係それ自体であり、上演を通じて初めて現れると考えるならば、鑑賞者が辿るべき最適化された動線は存在しえません。鑑賞者は個々の対象と向き合って行動させられることで、振付を事後的に確認することだけができるのです。その場を動き出す前に次の行動を想像したり、過去を想起したり、制度的言説を振り返ったりすることで、納得のいく行動を(振付によって)決定させられます。つまり鑑賞者になった人は、目の前の芸術的対象から働きかけられることで生じる心理的プロセスを通じて初めて主体性を獲得できるのです。
振付をめぐるショートエッセイ — 6つの切り口から「振付の今」を考える —
・「動き/踊りのあるところ」(宮川麻理子) #動き #踊り
・「その足先を伸ばす前に」(宮川麻理子) #身体 #テクニック
・「上演における振付的関係 —— 観客の経験という契機」(宮下寛司) #観客 #関係性
▶︎「“Choreographies for you” —— 美術館における振付」(宮下寛司) #美術館 #空間
・「振付のフィールドとその概念の広がり、生態学的な振付へ」(吉田駿太朗) #劇場外 #自然
・「AIとダンスの融合 —— 振付の創造性」(吉田駿太朗) #AI #テクノロジー
・「動き/踊りのあるところ」(宮川麻理子) #動き #踊り
・「その足先を伸ばす前に」(宮川麻理子) #身体 #テクニック
・「上演における振付的関係 —— 観客の経験という契機」(宮下寛司) #観客 #関係性
▶︎「“Choreographies for you” —— 美術館における振付」(宮下寛司) #美術館 #空間
・「振付のフィールドとその概念の広がり、生態学的な振付へ」(吉田駿太朗) #劇場外 #自然
・「AIとダンスの融合 —— 振付の創造性」(吉田駿太朗) #AI #テクノロジー