振付をめぐるショートエッセイ⑥
AIとダンスの融合——振付の創造性
#AI #テクノロジー
21世紀の高度情報化社会は、産業構造を大きく変化させ、アート分野にも多大な影響をもたらしています。特に人工知能(以下、AI)とダンスの融合では、振付家は様々なAIツールを駆使し、創作活動を実践しています。例えば、AI搭載ロボットとのダンス、物理の法則に左右されないモーションキャプチャーとの即興ダンス——振付家マース・カニングハムを例にとるなら、「人間には実行不可能な動きの開発」とも言えるでしょう。それは無数のデータからAIによって生成された動きを活用し、身体運動を(再)構成し、異種な動きを融合する振付実践なのです。
それらは劇場から科学分野の「ラボラトリー」にフィールドを移し、新たな感性的表現に挑戦する一方で、人間とAIの振付の間にある違和感やその不一致がもたらす影響にも注目しています。アルゴリズムの暴力性への問題提起、AIと振付家が創造性や独創性について議論する作品など、振付家は技術決定論に疑問を呈し、舞台上でAIによって振付けられる不安を垣間見せます。この不安は、管理/制御される身体への自由を問い、上演における「いま、ここ」での意志決定を行う振付に立ち戻らせるのです。
この二つの潮流の間で、今まさにスタンフォード大学の「Editable Dance GEneration(EDGE)」のようなAIツールなどが誕生し、振付家はAIとの融合における意志決定のせめぎ合いの中に立たされています。
・「動き/踊りのあるところ」(宮川麻理子) #動き #踊り
・「その足先を伸ばす前に」(宮川麻理子) #身体 #テクニック
・「上演における振付的関係 —— 観客の経験という契機」(宮下寛司) #観客 #関係性
・「“Choreographies for you” —— 美術館における振付」(宮下寛司) #美術館 #空間
・「振付のフィールドとその概念の広がり、生態学的な振付へ」(吉田駿太朗) #劇場外 #自然
▶︎「AIとダンスの融合 —— 振付の創造性」(吉田駿太朗) #AI #テクノロジー